それは、2013年12月中旬、首都ディリでの出来事でした。
当協会会長は、初めて東ティモールを訪問された方をクリスマス商戦で賑わうティモール・プラザに案内。
「2012年末、国連が撤収してどうなるかと心配したんですけれどすごい人ですね」
「東ティモールにこんなところがあるなんて想像できませんでした」
二人は興奮を禁じえず、沢山の各階店内をくまなくウインドウショッピング。
会長愛用のデジカメのシャッター音も続きます。
1階には、大きなフードコートもあります。
東ティモール、インドネシア、中華、タイなどの料理やハンバーグ、アイスクリーム、コーヒーなど様々な美味しさを手軽に体験できます。(別のコーナーには、日本料理店もありました)その日も、大勢の皆さんが楽しそうに食事をしながら歓談をしていました。
行列に並んでそれぞれ注文したナシゴレン等の味に舌鼓を打ち満足したところで、二人は、今回の東ティモール訪問について総括を始めました。
「子供たちの笑顔忘れません。私、東ティモールが好きになりました。また来ます」
「いい写真がたくさん撮れましたから、日本に帰ったらお渡ししますよ」
そのときでした。
「あれっ、カメラが?」
会長は、思わず立ち上がりポケットやバッグを必死に探す・・・見つからず。
「さっきまで店内を撮影していたんだから・・・」
「仮に落としたら、ずっと一緒にいましたから分るはず。落としてはいませんよ」
「夢見ているみたい。一体どうしちゃったんだろ・・・」
・・・言葉無し・・・
念のため、フードコーナーのレジに行き、聞くも、ただ首を振られるだけでした。
ガックリ
しばし沈黙が続きました。
突然、先ほどのフードコーナーの制服を着た女性が近づいて来られ
「カメラ?」
「イエス!」
「ちょっと待っていて」
彼女は、レジではなくずっと向こうの事務所のようなところの扉を開け姿を消した。
・・・緊張が続く・・・
再び現れた彼女は、遠くから右手を高く挙げて振っている、何か輝くものが見える。
笑顔で小走りで駆け寄って来た彼女の手にはカメラが!
・・・掲載の写真はその時の記念写真です・・・
置き忘れたカメラが無事に帰ってきたのです!
お正月に放映された日本のあるテレビ番組を観ていますと今の東ティモールとの乖離を感じてしまうことを禁じえません。
多くの懸案や課題を抱えつつも、平和の中、懸命に国づくりに取り組んでいます。
百聞は一見にしかず 皆さん自身で東ティモールの今を発見していただきたいと思います。
忘れ物が出てくるのは日本だけだとも言われていますが、東ティモールでも忘れたカメラが出てくるのです!
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