マラリア予防に

身近なマラリア

東ティモールはマラリアに感染することのある地域です。マラリアと聞くと、ものすごく深刻な病気・・・と思ってしまいますが、こちらでは 「今風邪引いているの」という感じで、「今マラリアにかかっているの」と、結構何ともないように言われるのでおどろくことがあります。もちろんこの病気はかかるととてもしんどいもので、命を落とす危険もあることは確かです。ただこの病気に対する受け止め方が違うのかもしれません。

被害妄想

被害妄想かもしれませんが、ティモール人よりずっと多く蚊にさされているように思う私。一緒に座って話していても、私一人かゆがっているよ うに感じます。もしかしてこの人たちは蚊にさされないのでは・・・ということはなく、やっぱり同じようにさされてはいるよう。かゆがっても余計にかゆみが 増すだけなので、気にしないように努めているみたいです。

「でも、やっぱりどうみても私の方がたくさんさされているし、かゆさだって、どう努めてみたって我慢できるようなものじゃない!」そう訴えると、みんな決まって 「あんたの血は甘い(おいしい)のよ。私たちみたいに苦くないのよ。」と言います。

「・・・えっ?血が苦いって何?」

予防法は口に苦し

マラリア対策で、ティモール人が信じていること、それは苦いものを食べることです。毎日じゃなくても、たまに食べていれば血が苦くなって、 蚊にさされにくくなるのだとか。苦い食べ物で思いだすものと言えばゴーヤ。ここでもゴーヤは一般的な野菜です。でも、それよりもっと苦いのが何とパパイ ア。南国フルーツのパパイアは、切ると中が鮮やかなオレンジ色で、とっても甘くておいしい果物ですが、その葉っぱや花はびっくりするぐらい苦いのです。

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これがパパイアの葉。大きく育ってしまったものは固いので、若くて柔らかい葉だけを食べます。そのまま茹でたり炒めたりして食べてもよいの ですが、苦すぎるので、キュウリのように塩もみして、水気を絞ってから料理すると緩和されます。これをインスタントラーメンに入れて食べるのがポピュ ラー!

熟れる前のまだ固い果実も、いためて食べるととってもおいしいです。特に、厚切りにして多めの油で炒め、カレー粉をまぶすと、何だか豚肉を 食べているよう。目をつぶってこのパパイアを食べながら、「今日のおかずは豚肉だね。」なんて錯覚しながら笑い合って食べる夕飯も、ささやかながら幸せな ひとときです。

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夕食のおかず・パパイアをとりに、木に登る弟。手をのばせば届くくらいの高さの木もありますが、何メートルにもなる高い木もあります。

2011年12月05日

【 筆者紹介 : なっちゃん 】
なっちゃんは、東ティモール人のご主人との間に可愛い女の赤ちゃんに恵まれ(2011年誕生)子育て奮闘中の日本人ママです。当協会の現地通信員でもあります。なっちゃんの見た今の東ティモールをお届します。ご期待下さい。