とうもろこしの季節

見極めが大事

雨季がやってくると、東ティモールではみないっせいにとうもろこしを植え始めます。乾かすと保存がきくので、一年を通しての主食にもなる し、鶏にも大切な栄養源です。広大な土地にたくさん植えるとうもろこしは、人間が水をやっていたのでは間に合いません。それなので、ほとんど毎日といって いいほど降る雨を見越して、雨季の始まりに植えられるのです。この雨季の始まりを見極めることがとても大切で、雨季の始まりのような雨が降っただけで焦っ て植えてしまうと、また何週間か雨のない日が続いて枯れてしまう・・・、というようなこともあります。

とうもろこしのおやつ

こうして植えられたとうもろこし、ついに食べ頃がやってきました!多くは乾燥させて保存されますが、まずはとれたての一番おいしいものをい ただきます。丸ごと茹でただけでもおいしいし、ポップコーンもおなじみのおやつ。東ティモールの言語、テトゥン語で、ポップコーンはBatar Funan、とうもろこしの花と呼ばれています。確かに、ポンポンはじけたとうもろこしは、花のよう、とてもかわいらしい呼び方で、私は大好きです。

家庭料理

そして、ちょっと乾燥してしまったとうもろこしを、芯からぜんぶもぎ取って、豆類と一緒に茹でて食べるのが、私の一番のおすすめ。豆類はい んげん豆や大豆、ピーナッツがあると最高!ピーナッツは茹でてもカリッとした歯ごたえがあって、よいアクセントになります。とうもろこしや豆だけでは緑色 が足りないので、葉物野菜を付け合せに。中でもかぼちゃの蔓は、私もこちらで初めて食べましたが、すごくおいしいです。味付けは塩だけ。でも、素朴で、噛 めばかむほどとうもろこしの甘味が口いっぱいに広がって、滋養あふれる一皿になります。

来客があると、コーヒーや食事でおもてなしをすることが、こちらの習慣のひとつ。コーヒーには砂糖をたくさん入れ、食事にはお米とおかずを 用意することが、その中でもよりよいもてなしとされています。急な訪問で、「今日はとうもろこししかないんだけど・・・」と申し訳なさそうに出されるこの 料理ですが、これが出てくると、内心私はラッキー!ととてもうれしい気持ちになるのです。

レストランでは食べられない、東ティモールの家庭の味。こちらにいらっしゃったらぜひ食べてもらいたい一品です!

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色とりどりで、見た目にもおいしい茹でとうもろこし。左上の赤いのは“Ai Manas”と呼ばれる、とっても辛いチリ。爪の先ぐらいのとっても小さな辛子ですが、ものすごく辛い!「これがないとなんだか物足りない!」と皆が口を そろえて言うくらい、なくてはならない存在。

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かぼちゃの蔓。スジと一緒にイガイガを取り除いて、いためてもいいし、とうもろこしと一緒にゆでてもおいしい!黄色い花も、丸ごと食べられます。

2012年1月31日