東ティモールでの結婚

今月、こちらで結婚式を挙げました。結婚は自分たちの好きなスタイルで、という自由さよりも、こうでなければならないというしきたりの方が強いと感じた、こちらでの結婚に関して、書いてみたいと思います。

結婚と宗教

東ティモールで結婚するということは、もちろん例外もありますが、ほとんどの場合キリスト教の様式に基づくということを意味します。こちら では、大半の人が日曜日ごとにミサに通い、お祈りをしています。主人の両親に紹介された時にも、まず聞かれたことは、キリスト教を信じて、それにしたがっ て結婚することができるか?ということでした。それだけ、こちらの人にとって、キリスト教の存在の大きさ、大切さを感じる出来事でした。

宗教観

教会で結婚式を挙げて、新年には神社に初詣に行き、先祖のお墓にお参りに行く・・・、こちらの人にはなかなか理解してもらえない宗教観。私 も、自分は何を信じているか、と真剣に考えたことはありませんでしたが、いざ「改宗できるか?」と聞かれると、すごく大きな難題を投げかけられた気持ちが しました。信じていると言うことは簡単ですが、自分自身や神に対して、中途半端な気持ちで接するわけにはいきません。かといって、主人と正式に結婚するに は、この道しかない。動機は不純かもしれませんが、これをきっかけにキリスト教への理解を深めていくことにしました。こちらにいらっしゃるシスターにお世 話になり、勉強会を重ねていくうち、日々の生活の出来事に対して、また違った見方ができるようになった気がします。例えば、何か辛いことが起こった時、辛 いな、逃げたいなと思うのではなく、これは私への宿題で、乗り越えられるために自分自身の力をつけること、また、どうしてこんなことが起こるのかと、考え てみるきっかけにすることを学びました。

婚姻届

こちらでは、日本のように、役所に婚姻届を提出することで結婚が認められる制度が今のところなく、教会で結婚式を挙げると証明書が発行され、それが正式な結婚証明書となります。それだけ、人々の教会への信頼度が高いことがうかがえます。

そんな東ティモールの習慣ですが、一緒に暮らすようになって何年も経ち、子どもがいる家庭でも、教会で結婚式を挙げていない人たちも、実は たくさんいます。理由は様々あると思いますが、この教会での結婚式、けっこう出費が嵩むのも一つの原因かなぁと感じました。私自身は、結婚するということ に意味があって、別に豪勢なドレスも高価な指輪も必要ないと思っていましたが、指輪は金に限るとか、果物かごを用意しないといけないとか、何だかんだで結 構かかるのです。それぞれの習慣、考え方があるので、間違っているとは言えませんが、もうちょっと敷居の低い教会になればなぁと思ったりもしました。

何はともあれ、約半年の準備期間を経て、無事に結婚式の日を迎えることができました。

2012年2月4日