日本の皆様、こんにちは。
事務所兼住居の火災から1年が経ちました。今日まで様々な事があったためか、火災から3年くらい経ったような気がしています。今もここで活動出来ていることを、家族、特に両親に感謝したいと思います。
新事業に向けて動き出した私たちですが(私たちと言ってもたった二人ですが…。)、なかなか思うように進まず、前進したり、後退したり…。なかなか忙しい毎日を過ごしています。
*新しい事業の実施に向けて*
事業を実施するためには、ファンドになってくれるであろう組織に対して、まずは活動提案書(プロポーザル)を提出しなければなりません。活動提 案書には、実施する必要性、達成すべき目標、得られる成果、どんな活動をするか、予算はいくらか?などを記入する必要があります。私が所属している団体 NGO AFMETでは、今年、2つの組織に対して活動提案書を提出する予定でいます。一つは味の素、もう一つはJICA(国際協力機構)です。今は、ど素人の私 と、一人のティモール人スタッフしかおらず、活動提案書作成のプロでもないため、大変な毎日です。締切は待ってくれないので、なんとかして完成させなけれ ばなりません。
まずは情報収集から始めます。このプロセスでは、保健局や役所を訪問し、政府の方針・今後の目標を聞き、彼らのニーズも調査します。国からお金 がなかなか下りず実施したいプログラムが進んでいない、本当は別の方法が効果的だと思うけれども、どうすれば良いかわからない…などなど彼らからの要望は 意外と多いのです。プログラムを実施している各課の責任者さんと話をしていると、彼らの声が上(国)まで響くのは時間もかかるし、一度決まった形式を変え るのは、本当に難しいのだと実感します。同時に、NGOだから出来る事もたくさんあるのだ、と思います。
情報収集の後は、私ともう一人のスタッフが各自活動提案書のドラフトを作成して持ち寄り、プレゼンをしながら修正していく作業に入ります。良い アイディアだと思ったのに、ブーイングされたり。それが元で喧嘩して嫌な雰囲気になったり。テトゥン語が理解出来てなくて怒られたり。二人とも賛成したア イディアだったのに、目標が正確に導き出せなかったり。…なんだか、崖の上の綱渡りを、行ったり来たりしているような感じです。
活動提案書のドラフトは、月に1回行われる東京本部の会議に間に合うようにと、努力はしているのですが、別の用事を頼まれたり、パソコンが壊れ たりするとすぐには準備出来ず、日本とティモールの距離を感じます。また、日本の委員の方々は全員ボランティアの方であり、別の仕事の合間をぬって会議を 行って下さっているため、現地の想いが思うように届いていない時があり、もどかしさを感じてしまうときがあります。組織が活動を継続できるように活動提案 書を作成するのはもちろんですが、現地と東京の温度差・距離を埋めていく事も、大切な事のように思っています。
*バウカウ県へ!!*
JICAに提出する予定の活動提案書は、私が住んでいるラウテン県のお隣、バウカウ県というところで実施する予定なので、本当に“ゼロ”からの 準備を始めています。AFMETの設立にも関わって下さった、サレジオ会のジョジョ神父が、バウカウ県のケリカイ村というところに住んでいるので、まずは ジョジョ神父に会い、現状を聞きに行って来ました。ディリに行くときには必ず通るバウカウ県ですが、ゆっくり村を歩くことなどはこれまでなく、今回が初め ての滞在となりました。バウカウ県には、ティモールで2番目に高い山、マテビアン(死者の山という意味)があります。男山と女山の二つの峰からなってお り、一度は登ってみたい山です。また、食物が豊富で、市場にはたくさんの野菜が並んでいます。ワクワクした気持ちで車を走らせること約2時間。ケリカイ村 に到着。あたり一面は山に囲まれ、きれいな空気が広がっていました。道路は現在舗装中のため、何度か危ない場面がありましたが…。
↑マテビアン山。どっちが男・女なのかは定かではない…。
↑ケリカイへの道。山道が続く。
ジョジョ神父からは、住民の生活環境・役所の動き・保健局の状況などについて聞くことが出来ました。肥えた土壌なので、食物は多く育っている が、住民は食べ方について指導する必要がある。水の主(ティモールでは、水の主がいます。その人が地主さんである場合もあります。)が、周辺住民への供給 を嫌がっているため、水を引けておらず、その影響で住民の家庭環境が悪い地域がある。県知事はあまり活動に積極的でない。などなど。今後はベースライン サーベイを何か所かの村で実施し、より詳細な情報を手に入れようと思っています。住民のお宅にお泊りするのも良いかもしれません!実施が楽しみです。
↑ケリカイの景色。段々畑が広がる。
↑子供たちと話すジョジョ神父(左)。
忙しい毎日ですが、ティモール人と笑い、ときに怒り、ときに泣き、ときに感謝し。今、自分に与えられている時間を無駄にしないように、出来ることからしていこうと思っています。
↑ケリカイの夕陽。教会から撮影。
↑頭での荷物運びに挑戦しましたが、失敗しました…。
17/Sept./2014
深堀さんは、AFMETの現地事務所代表。
愛くるしく逞しく、どこまでも人々に優しい女性。
AMR(アマゾネスめひリアリダデ)は、そんな深堀さんの愛称!
みんなの夢を実現するため明るく力いつぱい頑張っています。