東ティモール通信 No.26

日本の皆様こんにちは!いつもお世話になっております。またまたレポートの送信が遅くなってしまい、大変申し訳ありません。今回もまた皆様に悲しいお知らせをしなくてはなりません。

*AFMET事務所兼住居の焼失*

今月16日、東ティモール・ロスパロスにあるAFMET事務所と住居が火災に合い、全焼してしまいました。原因は漏電です。幸いなことに、当時はスタッフも私も外出しており、怪我人はいませんでした。それだけは本当に不幸中の幸いと言えます。

【火事だ!】

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事務所

火災時、私は、卒業論文の研究で東ティモールに来ていた大学生のアンケート調査に同行しており、隣の集落にいました。調査も無事に終了し、お昼ご飯を食べに行っていたところ、アングーナといわれる公共交通バスのようなトラックの運転手さんが大慌てでお店の中にいる私を呼びに来てくれたのです。
「お姉さん!AFMETが燃えているよ!!!」とても焦っていたお兄さんを見て、私もビックリしました。お昼代は待ってもらい、私も大慌てで車を走らせ、事務所に向かいました。到着までにはまだ距離がありましたが、遠くからでも、どす黒く大きな煙が見え、これはもうダメだ…と思いました。車を降りて敷地内に入ろうとしましたが、すごい熱で、台所には大きなプロパンガスも置いてあったため、集まった人々にとめられてしまい、近づくことさえできませんでした。頭の中は一瞬のうちに真っ白になり、どうすれば良いのかわからず、涙がボロボロ出てきます。
「どうしようどうしよう」しか言葉が見つからず、その場に立ち尽くしました。私の涙を見て近所の人たちは笑いました。かわいそうと言う人たちもいましたが、耳に入ってくるのは笑っている人たちの声だけ。やっと電話が繋がったAFMETスタッフからは「落ち着いて。これはもうどうしようもない出来事なのだから、毅然として。人の前で泣くな。」と言われました。その電話で余計に涙がこぼれましたが、涙を見せると余計に笑われるため、もう人前で泣くことはやめました。

【失ったのは・・・】

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台所

私が悲しかったのは、近所の人たちに笑われたこともですが、これまでたくさんの日本人がティモール人と共に生き、泣いて笑い、それでも活動を継続してきた大切な、大切なAFMETの場所を守れなかったことです。たくさんの人が責任を感じることはないと言ってくださいましたが、漏電を未然に防げなかったのは、やはり私の責任でもあると思うのです。

火災から数日間、たくさんの人が私にいろんな言葉をくれました。正直に言えば、感謝の気持ちだけではなく、憤りを感じることが多くありました。人との信頼をこれまで築けていなかった自分にもがっかりしました。私がティモールで今までやってきていたことは何だったのかわかりません。自分がこれまで信じて行ってきたことも全部、正しくなかったのかもしれません。
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宿泊部屋

ティモールを離れ、今は日本に一時帰国をしています。火災にあった事務所兼住居も、土台のみを残して解体されることとなりました。今までの自分とこれからの自分、そしてこれからのAFMETを考えるためにもゆっくりしなさいと言われます。でも、東ティモールに残してきたものが多すぎて、いろんな決断が待てず、早く帰りたいという気持ちだけが先走ります。それでは前に進めないし、ティモールに帰っても何の意味もないとわかってはいるのですが…。

【プロジェクト続行!】

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外観、AFMET事務所兼住居

現地のスタッフから、現在のかまどプロジェクトは継続して実施したいという要望がありました。もうプロジェクト継続は無理かもしれない…と思っていたのですが、ティモール人3名のスタッフはやる気があります。このスタッフたちと一緒に頑張れる気がしています。かまどプロジェクトの支援先であるHIVOSからは、事務所の一部と活動に必要な物品(パソコンやプリンターなど)は提供してくださるとのこと。現在、現地では3名のスタッフが事務所兼住居の解体作業の手伝いと新しい仮事務所の準備をしてくれています。

これから自分にどんな道が用意されているのかはわかりませんが、3名のスタッフと共に生きながら現在のプロジェクトを完遂することができるよう、引き続き、皆様からのお祈りをお願い致します。

02/Oct/2013

【 筆者紹介 : 深堀夢衣さん 】
深堀さんは、AFMETの現地事務所代表。
愛くるしく逞しく、どこまでも人々に優しい女性。
AMR(アマゾネスめひリアリダデ)は、そんな深堀さんの愛称!
みんなの夢を実現するため明るく力いつぱい頑張っています。