停電の夜

静かな夜

今夜は停電で真っ暗な夜を過ごしました。停電は日常茶飯事、ちょっと前までは3、4時間すると回復していましたが、最近は6時間も7時間も 停電していることが多くなってきました。それでも気長に待っていれば回復するので、まぁじきに点くさー、とあまり気にしていませんでしたが、今日ばかりは 朝から停電、待ってもまっても電気はきません。今日は料理以外の家事は放棄して、娘と遊び、本を読んですごしました。暗い中、ろうそくの明かりを頼りに夕 飯支度。塩がちゃんと入ったのかも、焦げてはいないかもよく分からないけれど、とりあえず食べられるものを作って、簡単に夕食をすませ、隣近所もみんな早 めに就寝。いつもならテレビの音や話し声でにぎやかなここも、夜8時頃にはしーーんと静まり返ったのです。私たちもそれにつられて眠ることにしました。

水と電気

夜中にふと目覚めると、あ、明るい。寝ている主人を起こして、水をくみに急いだものの、大家さんがポンプの電源を抜いてしまっていて、結局 水は出ずじまい。翌朝はまた停電で、この日ばかりは、のんきな大家さんに本気で頭にきました!!まぁ何とかなるさとのんびりしていられるところは、ここの 良さでもあります・・・。 かろうじて溜めてあった水で、せめて娘のものだけでもと洗濯をすませ、昨日からたまっている食器も洗って・・・見ていると、主人は少ない水でとても器用に 家事をこなしていきます。電気は点くもの、水は出るものと思って生きてきた私は、こんなときに本当に役立たず。

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泰然自若

1999年、投票後の騒乱が起こった後、1年以上も電気のない生活を経験した主人。「えぇ、1年以上も!」と私は驚き、「水はどうした の?」「どうやって生活していたの?」と質問が山のようにありました。でも、当の主人は「普段通りの生活だよ」と、特に変わったこともなかったように答え ました。確かに、考えてみると、主人の実家での生活は、水は山水、料理は薪を使用、夜は暗くて不便なぐらいで、あまり電気を必要としていません。実際に、 今でも電気が使えるのは夜6時から朝6時までの間だけ。それでも、ものすごく不便だ!と感じたことはありません。それに反して、私が慣れ親しんできた生活 では、いかに多くのことを電気に頼っているのか思い知らされます。現在自宅で使っているものだけを考えてみても、炊飯器に湯沸し、コーヒーメー カー・・・、必需品の携帯電話も電池が切れれば何の役にも立たなくなってしまいます。停電になって、すごく不便だ!と感じるのはそれだけ電気に頼って生活 している証なのです。

新たな決意

そんな私も、ここに来て変わったことが一つ。扇風機やエアコンを使わなくなったことです。毎日が真夏の暑さで、風の全くない寝苦しい夜もあ るけれど、団扇で何とか毎日を乗り切っています。これが意外に涼しく、過剰に風を受けないので体にもいい。大人より体温が高く、きっと私たちより暑さを感 じている娘も、団扇であおいであげると、疲れてお風呂に浸かったときに出る「あーー」というため息に似た声を出して、すごく幸せそうな顔をします。いくら 涼しくても、エアコンで手足が冷えるより、気持ちがいいのかもしれません。なければないで何とかなるものはどんどん減らしていって、もっと地球にやさしい 生活ができるように、この不便な停電を通して、生活を改めていこうと思っています!

2011年11月22日

【 筆者紹介 : なっちゃん 】
なっちゃんは、東ティモール人のご主人との間に可愛い女の赤ちゃんに恵まれ(2011年誕生)子育て奮闘中の日本人ママです。当協会の現地通信員でもあります。なっちゃんの見た今の東ティモールをお届します。ご期待下さい。