バタール
前にもご紹介しましたが、私は東ティモールのとうもろこしが大好きです。噛みしめたときの、あのぎゅぎゅっとした歯ごたえとか、滋養にあふれる感じが伝わる味とか、本当においしいのです。
とうもろこしは、現地語のテトゥン語で「バタール(“バ”にアクセントがつきます)」と言います。くだらない話ですが、私はイメージに気持 ちを大きく左右されるところがあって、この「バタール」という名に誘惑されて、以前は大嫌いだったとうもろこしが好きになったと言っても過言ではありませ ん。バタールって、多分あのパンにつけるバターを連想するからでしょうが、こっくりして濃厚な味を思い浮かべませんか?いかにもおいしそうです。
栽培
食べることとなると労力を惜しまない私は、日本でもあの味を存分に楽しみたい!家族にも食べさせてあげたい!と願い、種を持って帰ることに しました。種といっても大げさなものではなく、食べるぶんから少しずつとりよけて乾かしておいただけのものです。こんな適当でまた芽を出すのか?
・・・植えてしばらくすると、出ました!!これが、驚くほど高い発芽率で、一週間もしないうちに、植えた種のほとんどが芽を出したのです。 暑い畑から一転、寒い畑へのめまぐるしい環境の変化に、よく耐えて頑張っているとうもろこし。寒い寒いとこたつに入りびたりだった私より、もっともっと逞 しく生きている植物に、生命の力を感じます。そして、私も強く逞しく生きていこうと、勇気をもらえるのです。
こうして現在、東ティモールのとうもろこしは元気に成長しています。これからはカラスなど鳥との戦いも待っていますが、頑張れ、とうもろこし!
追伸:実るかどうかは保証できませんが、噂のバタールを食べてみたい!という方、いらっしゃいましたら、ご一報ください。実をつけた暁には、ぜひおすそ分けしたいと思っています。
2012年5月15日